要点まとめ
ローカル録画は、録画ボタンを押したパソコンに保存される。デフォルトでは、そのユーザーのDocumentsフォルダ内にあるZoomフォルダに、会議ごとに日付とトピック名のサブフォルダが作られる仕組みだ。中には通常、動画ファイルと、それとは別に音声だけを収めたM4Aファイルが入っている。一方、クラウド録画はパソコンには存在せず、Zoomのウェブポータルの「レコーディング」欄に置かれ、管理者が設定した保存期間が過ぎると自動的に削除されることがある。期限が来る前にダウンロードしておき、音声ファイルは残しておこう。
「自分のZoom録画」と言っても、実は種類が違うものを指している場合が多く、まず自分の録画がどちらなのかを見極める必要がある。ローカルに録画したのであれば、ファイルはハードディスク上にあり、自分で削除しない限りそこに残り続ける。クラウドに録画したのであれば、ファイルはZoomのサーバー上にあり、それは自分個人のものではなくアカウントに属するものであって、どれくらいの期間保存されるかは別の誰かが決める。
ここからは、それぞれの場合にどこを探せばいいか、録画が終わったのに何も残っていないときにどうすればいいか、そしてテキスト化したいときに2つのファイルのうちどちらを使うべきかを見ていく。
ローカル録画:録画したパソコンのDocumentsフォルダ内
デフォルトでは、ZoomはDocumentsフォルダの中にZoomという名前のフォルダを作り、ローカル録画をすべてそこに書き込む。会議ごとに専用のサブフォルダが作られ、日付と会議のトピック名が付けられるため、何ヶ月か経って正確な日時を覚えていなくても、フォルダを見て探しやすくなっている。
ここで2点、勘違いしやすいポイントがある。1つ目は、録画データは録画ボタンを押したパソコンに保存されるという点で、ホストや録画を頼んだ人のパソコンには保存されないということだ。同僚が録画したのに自分のドライブを探しても、絶対に見つからない。2つ目は、デフォルトの保存先はあくまでデフォルトにすぎないという点だ。誰かが録画の設定画面で保存先を変更していた場合、フォルダはその変更後の場所にあり、会議の情報を見ただけではそれを知る手がかりはない。ドライブ全体を会議のトピック名で検索したり、最近作成されたM4Aファイルを探したりする方が、フォルダをひとつずつクリックして探すより早く見つかることが多い。
会議のサブフォルダの中には通常、動画ファイルと、同じ会話の音声だけを収めた別のM4Aファイルが入っている。Zoomはこの両方を書き出す。ほとんどの人は動画ファイルにしか気づかない。ファイルサイズが大きく、ダブルクリックすると再生されるのがそちらだからだ。
録画が終わったのにファイルが見つからないとき
これは「録画が消えた」というトラブルの中でもっとも多いパターンだが、実際には消えているわけではないことがほとんどだ。
ローカル録画をしていた会議が終わると、Zoomは録画中の生データを最終的な動画・音声ファイルに変換する処理を行う。この変換には時間がかかり、通話が終わった後に始まり、Zoomアプリが起動していてパソコンが起きている状態でないと進まない。会議が終わった瞬間にノートパソコンの画面を閉じたり、その日はもう使わないからとZoomを終了したり、変換中にパソコンがスリープしてしまったりすると、処理は途中で止まってしまう。その結果、会議のフォルダに残るのは再生できる動画ファイルではなく、変換が完了していないファイルになる。
解決策は意外と単純だ。そのファイルを開けば、Zoomが変換処理を再開して最後まで終わらせてくれることが多い。録画が消えたと結論づける前に、まずZoomフォルダを開いて、会議のサブフォルダの中に実際に何が入っているかを確認してほしい。見慣れない、再生できないファイルが入っているのは、むしろ良い兆候だ。フォルダが空っぽになっているほうがまずいケースで、その場合はクラウド録画になっていないかを確認する。
クラウド録画はパソコンではなくウェブポータルにある
録画がクラウドに保存されていた場合、ハードディスク上には何もなく、Documentsフォルダをどれだけ検索しても見つからない。クラウド録画はZoomのウェブポータルの「レコーディング」欄にあり、その会議をホストしたアカウントでログインすれば確認できる。
クラウド録画は有料プランの機能だ。無料アカウントの場合、選べるのはローカル録画だけなので、ファイルはDocumentsフォルダに保存され、どこに行ったのかという疑問には単純な答えが出る。会社のアカウントでは、クラウド録画がデフォルトになっていることが多く、実質的には自分の録画が「本当の意味で自分のもの」ではなくなる。録画はアカウントに帰属し、管理者からは見える状態にあり、どれくらい保存されるかは自分ではなく管理方針によって決まる。
クラウド録画をダウンロードすると、ローカル録画と同じ組み合わせのファイルが手に入る。動画ファイルと、それより容量の小さい音声だけのM4Aファイルだ。
保存期間は、手遅れになるまで誰も気にしない部分
クラウド録画には、アカウント管理者が設定した保存期間のルールが適用され、その期間が過ぎると自動的に削除されることがある。削除される際に通知のメールが来るわけではない。次に見に行ったとき、単純にそこに録画がないだけだ。
多くの会社のアカウントでは、これが「先の四半期の録画が消えた」という現象のすべての理由になっている。誤って削除されたわけでも、どこかのサブフォルダに隠れているわけでもない。保存期間が終了したのだ。その期間が数週間なのか数ヶ月なのかは、組織がどう設定したかによって完全に変わるので、「どれくらい時間があるのか」という問いに正直に答えるなら、アカウントを管理している人に聞くこと、そして思っているより短いと想定しておくことだ。
保存期間が終わる前にダウンロードしておくことが、録画を確実に残す唯一の方法だ。つまり、ダウンロード作業は「必要になったらやること」ではなく、「会議を終わらせる作業の一部」として扱う必要がある。録画するだけの価値がある通話だったなら、ファイルがまだ存在するうちに数分かけてダウンロードしておく価値もあるはずだ。
2つのファイルのうち、本当に必要なのはどちらか
文字起こしをするなら、音声だけのM4Aファイルを使う。動画ファイルに比べてサイズがごく一部で済み、文字起こしツールが読み取る情報はすべて含まれているため、アップロードも処理もその分速くなる。動画ファイルが必要になるのは、共有された画面を誰かに見せたい場合や、ある場面を切り出して他の人に見せたい場合だ。テキストを目的とするなら、動画ファイルを使う理由はない。
Zoomにはクラウド録画の音声を文字起こしする機能があるが、これは有料機能であり、対応言語の範囲はほとんどのチームが思っているより狭い。この機能が対応していない言語で作業しているチームや、機能自体が有効になっていないアカウントでは、結局、音声ファイルを取り出して別のサービスで文字起こしすることになる。これは特別な回避策ではなく、ごく普通の作業手順だ。
M4Aファイルを手に入れたら、一般的な文字起こしツールであればどれでも読み込める。iOS、Android、macOS向けのSozAIアプリは、話者の識別、要約、99以上の言語への翻訳に対応した音声・動画ファイルの処理ができ、これは会議が英語以外の言語で行われていた場合に特に役立つ。音声だけのファイルを読み込ませるのが一番速い方法で、何らかの理由でM4Aファイルが見つからない場合でも、動画ファイルを使えば処理できる。ただ、その分ファイルの移動や処理に時間がかかる。
正直なところ、どこまで期待できるか
会議の録画から作った文字起こしは、良いマイクに向かって一人だけが話している音声の文字起こしほどきれいには仕上がらないことが多い。Zoomの音声は通信のために圧縮されており、参加者同士の発言が重なることもあり、車の中から参加している人もいれば、複数人が同じ部屋で一つのマイクを共有していることもあって、そうした場面では話者の識別がうまくいかないこともある。名前や略語、そして誰もが互いに挨拶している最初の数十秒については、修正が必要になると考えておくとよい。
技術とは関係のない制約もある。他人の会話を録音・録画することには、国や勤務先によって異なる法律上・社内規定上の制約が伴うため、Zoomは録画を静かに始めるのではなく、会議中に録画中であることを告知する仕組みになっている。この告知には理由があり、クラウドから自分のストレージに録画を取り出したからといって、そもそも許可されていた使い方の範囲が変わるわけではない。もし通話に機密性の高い内容が含まれるなら、あなたが回避しようとしている保存期間のルールは、まさにそうしたコピーが蓄積するのを防ぐために存在している可能性がある。
そして、すべてを文字起こしすることは、見た目ほど有益ではないことが多い。録画された会議の大半は、1週間ほど保存しておく価値はあっても、その後は特に価値を持たない。文字起こしする価値があるのは、何かが決定された会議、仕様が口頭で説明された会議、あるいは誰かが後で正確に引用する必要のある発言をした会議だ。そうした会議だけをダウンロードし、音声ファイルを残しておき、それ以外は予定どおり期限切れにしてしまえばいい。

