重要なポイント
SRTファイル(SubRip Subtitle、拡張子
.srt)は、字幕を保存するプレーンテキストファイルです。番号付きのブロックごとに、開始時刻、終了時刻、表示するテキストが記録されています。動画や音声そのものは含まれず、あるのはタイミング情報とテキストだけです。そのため、ファイルサイズが非常に小さく、どのテキストエディタでも編集でき、ほぼすべての動画プレーヤーやプラットフォームで利用できます。ゼロから作成することもできますし、プレーンテキストから生成することも、文字起こしツールから書き出すことも可能です。さらに、アップロード前に数秒で検証できます。
動画プレーヤーで字幕を表示したことがあるなら、その裏側ではSRTファイルが使われていた可能性が高いです。SRTはWeb上でもっとも古く、もっとも幅広くサポートされている字幕形式であり、現存するファイル形式の中でも非常にシンプルな部類に入ります。このガイドでは、その仕組みをわかりやすく解説し、実際の例を示しながら、専用ソフトなしでSRTファイルを作成・編集・修正する方法をご紹介します。
SRTファイルの中身はどうなっているのか?
任意の.srtファイルをメモ帳やTextEditで開くと、次のような繰り返しのブロックが表示されます。
1
00:00:01,600 --> 00:00:04,200
Welcome back to the channel.
2
00:00:04,400 --> 00:00:07,900
Today we're looking at how
subtitle files actually work.各ブロックは、必ず次の4つの要素で構成されます。
- 連番 — 1、2、3…という順番で並び、欠番はありません。
- タイムコード —
hours:minutes:seconds,milliseconds形式の開始時刻と終了時刻を、-->で区切って記述します。ミリ秒の前にカンマを入れる点に注意してください。ここはファイルが壊れる原因としてもっとも多い部分です。 - 字幕テキスト — その時間帯に画面に表示される1行または2行のテキストです。
- 空行 — 各ブロックを次のブロックと区切ります。
これで形式のすべてです。ヘッダーもなく、スタイル用のメタデータもなく、バイナリデータもありません。だからこそ、より派手な形式が登場しては消えていく中で、2000年代初頭から今まで生き残ってきたのです。
SRTファイルの用途
- YouTubeやソーシャル動画: 動画と一緒にSRTをアップロードすると、視聴者に適切なクローズドキャプションを提供できます。さらに、プラットフォーム側がテキストを検索用にインデックス化します。
- 動画プレーヤー: VLC、IINA、多くのスマートTV向けプレーヤーでは、同じ名前のSRTを動画ファイルの横に置くだけで自動読み込みされます。
- 翻訳: 翻訳者はタイミングを保ったままテキスト行だけを翻訳できるため、言語ごとに別のSRTを作成できます。
- 編集ワークフロー: Premiere Pro、DaVinci Resolve、Final Cutはいずれも字幕トラック用にSRTを読み込めます。
- アクセシビリティとコンプライアンス: 多くの公開動画では字幕が法的要件となっており、SRTは誰でも受け入れられる交換形式です。
SRTファイルの作り方
方法1: 動画から自動生成する
もっとも手早い方法は、動画を文字起こししてSRTとして書き出すことです。YouTube動画であれば、YouTube Transcript Generatorにリンクを貼り付けてSRTをダウンロードできます。タイミングは音声からそのまま取得されます。ご自身の録音やファイルであれば、Soz AI appを使うことで、99以上の言語で音声を文字起こしし、字幕に使えるテキストとして書き出せます。
方法2: 既存のテキストをSRTに変換する
すでに台本や文字起こしのプレーンテキストがある場合は、無料のTXT to SRT Generatorを使えば、字幕向けの長さにテキストを分割し、均等な間隔のタイムスタンプを自動で割り当てられます。あとから細かく調整することも可能です。処理はすべてブラウザ内で行われるため、テキストが端末の外に送信されることはありません。
方法3: 手作業で書く
30秒程度の短いクリップであれば、テキストエディタで手書きするのも十分現実的です。上記のブロック構造に従い、UTF-8エンコーディングでsubtitles.srtとして保存すれば完了です。動画が1〜2分を超えると、手動でタイミングを付ける作業はかなり煩雑になるため、方法1または2をおすすめします。
よくあるSRTの問題とすぐできる対処法
| 問題 | 原因 | 対処法 |
|---|---|---|
| 字幕がまったく表示されない | 拡張子の誤り、エンコーディングの誤り、またはタイムコードの形式不備 | SRT Validatorに通すと、壊れているブロックを特定できます |
| 字幕の表示が早すぎる/遅すぎる | 動画にイントロがあり、字幕側でその分が考慮されていない | Subtitle Time Shiftで全タイムスタンプを一括でずらせます |
| 特殊文字が文字化けする | 古い文字コードで保存されている | UTF-8で保存し直してください(現在のSRTの標準です) |
| プレーヤーでファイルが受け付けられない | プラットフォーム側がWebVTTを想定している | VTT ↔ SRT Converterで変換してください |
| タイミングなしのテキストだけが必要 | — | Subtitle to Textなら、番号とタイムスタンプをワンクリックで取り除けます |
SRTと他の字幕形式の違い
Web上でのSRTの主な競合は、WebVTT(.vtt)です。これはHTML5動画プレーヤーで使われるW3C標準です。VTTはスタイリングや表示位置の指定が可能ですが、タイムコードではカンマではなくピリオドを使い、さらにヘッダー行が必要です。放送向けワークフローではTTMLやEBU-STLが使われることもあり、DVD時代のツールでは装飾付きのアニメ字幕向けにSSA/ASSが使われていました。各形式がどのような場面で適しているかを詳しく知りたい方は、VTT vs SRT: どの字幕形式を使うべき?をご覧ください。
よくある質問
SRTファイルはどうやって開きますか?
どのテキストエディタでも開けます。たとえばメモ帳(Windows)、TextEdit(Mac)、または各種コードエディタです。動画と一緒に再生したい場合は、同じ名前のSRTを動画ファイルの横に置き、VLCで動画を開いてください。
SRTはクローズドキャプションと同じですか?
SRTはファイル形式であり、クローズドキャプションはその用途のひとつです。聴覚障害のある視聴者向けのキャプションでは、通常、効果音(「[ドアが閉まる音]」など)の書き起こしや話者の識別も含まれますが、そうした情報もSRTファイルのテキスト行に含めることができます。
SRTファイルには動画も含まれていますか?
いいえ。含まれているのはテキストだけです。長編映画であっても、通常は数KB程度に収まります。動画は別ファイルのままで、プレーヤーが両者を組み合わせて表示します。
スマホでSRTファイルを編集できますか?
はい。プレーンテキストなので、モバイル向けのテキストエディタで編集できます。ただしタイミングの変更については、タイムコードを手で編集するよりも、Subtitle Time Shiftのようなブラウザベースのツールを使うほうが、ミスを大幅に減らせます。
